先日、中國稅関総署が公表した5月の最新貿易統(tǒng)計によると、中國の輸出入商品総額は5011億9100萬ドルで、前年同月比6.2％減少した。そのうち輸出総額は2834億9900萬ドルで前年同月比7.5％減、輸入総額は2176億9200萬ドルで前年同月比4.5％減、貿易黒字は658億700萬ドルで前年同月比16.1％縮小した。

世界経済の軟調と消費の低迷により、韓國、ベトナム、インドなど各國の輸出が減少している。その中で、ベトナムは5月の輸出入が前年比18.4％減、1～5月の輸出が11％減、韓國は5月の輸出が前年比15.2％減となった。このような背景の下、中國の輸出額も下落している。

中國と主要貿易パートナーとの貿易狀況
今年の初めから5月までの中國は、第2の貿易パートナーであるEUとの輸出入総額が前年同期比3.7％減の3,317億ドルに縮小し、第3の貿易パートナーである米國との輸出入総額は前年同期比12.3％減の2,747億ドルに下落した。また、日本および韓國との輸出入総額もそれぞれ前年同期比10.4％減の1,312.6億ドル、15.5％減の1,280億ドルとなった。

輸出増加率がマイナスに転じた原因
5月の中國の輸出成長率はマイナスに転じた。その背景には主に3つの理由がある。第一に、海外経済の成長勢力の減速、特に米國や歐州など先進経済體の成長率の著しい低下の影響を受け、現在の外需は全體的に弱いこと。第二に、昨年5月の感染癥ピークを経て、中國の輸出成長率のベースが大幅に上昇し、今年5月の輸出の前年比成長率を押し下げる要因となっていること。第三に、最近では中國の輸出が米國市場でのシェアを急速に失っており、米國の輸入が歐州や北米にシフトしていることである。

世界貿易環(huán)境の変動や輸出成長率がマイナスに転じるプレッシャーにもかかわらず、注目すべき點は、中國の自動車輸出が絶えず増加しており、とりわけ新エネルギー車が世界の主要な輸出國となっていることだ。

北京大學國民経済研究センターは、経済安定化政策が継続的に力を発揮するにつれ、輸入需要が回復する可能性があると考えている。世界貿易環(huán)境の変動という大きな背景の下で、中國の対外貿易情勢がどのように発展するかは、引き続き注目に値する。